大切な歯が虫歯や
歯周病に
なることを
防ぐための予防歯科 Preventive dental care
虫歯や歯周病の病気を早期に発見し、適切な治療を行うために、予防歯科は必要不可欠です。定期的な歯科健診によって、歯の磨き残しの確認だけでなく、患者さまが難しいと感じる歯と歯の間の清掃や噛み合わせの調整などを通じて、お口の健康管理をサポートできます。 例えば、PMTCは歯科医師や歯科衛生士などの専門医が専用の機器を使用して、歯面の汚れを丁寧に取り除き、歯をツルツルに磨き上げて、フッ素を塗布する歯科予防ケアの一つです。
日常の歯磨きでは取り除けない歯垢(プラーク)、歯石、バイオフィルムなどを徹底的に除去し効率的にクリーニングすることが可能です。虫歯予防や歯周病・歯肉炎の緩和・予防、歯質の強化を目指せます。
脱灰と再石灰化とは? Demineralization and calcifying
「脱灰」は歯のエナメル質(歯の硬い表面)に存在するミネラルが、虫歯菌の出す酸によって失われる現象を指します。虫歯菌は糖質を取り込んで酸を出すため、糖質を含む飲食を頻繁に行なっている方は口内が酸性に傾いて脱灰状態が続き、エナメル質が弱くなって虫歯や知覚過敏が増える傾向にあります。それに対し「再石灰化」は、唾液に含まれるミネラル(カルシウムやリンなど)が歯の表面に再付着して、脱灰によって弱くなったエナメル質を強化する自然な作用です。
口腔ケアによって口内を酸性からアルカリ性に戻す、フッ素を使用する、
バランスの取れた食事をすることによって、再石灰化が促進されます。なお、脱灰と再石灰化のプロセスを示すグラフをステファンカーブといいます。ステファンカーブで表すと、口内はアルカリ性が基本で、食事や飲み物の摂取後は酸性に変わり、時間の経過に伴いアルカリ性へ戻るというウエーブを描いています。歯の健康を維持するためには、このステファンカーブを意識的に管理する必要があります。
虫歯のセルフケア方法
スクラッピング法
スクラッピング法は基本的な歯磨き方法の中でも、歯間にできる虫歯や歯周病の予防に役立つものです。具体的な方法としては、鉛筆を持つように歯ブラシを軽く持ち、毛先を歯に対して直角に当てて、左右へ振動させるように小刻みに動かします。
無意識的に歯を磨いていると、歯と歯の間にできる虫歯や歯周病を防ぐことは困難です。歯ブラシの毛先を歯と歯の間に入れることを意識しながら、歯を1本1本丁寧に磨くことで、発症リスクの高い歯間の病気だけでなく、口臭予防にもつながります。バス法
バス法は基本的な歯磨き方法の一種で、歯の表面や歯周ポケット内の汚れを落として歯周病予防をするのに適した方法です。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、歯周ポケットの内側に毛先を軽く入れ込んだ状態で、左右に動かしながら磨くことで、歯垢を掻き出すことが可能となります。バス法を行う際のポイントは、2mm~4mmの感覚で細かく歯ブラシを動かすことです。
歯ブラシを大きく動かすと毛先が歯周ポケットに入り込まず、歯の表面をこするだけで終わってしまうためです。また、自分で思っているよりも歯ブラシの位置を下げることを意識して、歯肉部分にしっかりと触れさせることも重要です。その状態で磨くことで、歯肉のマッサージにもなります。歯間ブラシ
歯間ブラシは、歯ブラシの毛が入らない歯と歯の間を磨くための清掃補助ツールです。主に歯間の根元に詰まっている食べかすや歯垢を掻き出して、歯と歯の間の虫歯や歯周病を予防します。歯間ブラシには、歯茎に優しいゴムタイプと、歯垢の除去率が高いナイロンタイプがあり、患者さまの口腔状態に合わせて選択することが可能です。
歯間ブラシを行うタイミングは、歯磨きの前が基本です。歯ブラシで磨いた後に歯間ブラシを使うと、歯間から取り除いた汚れが歯の表面に再度付着してしまいます。また、先に歯と歯の間に詰まった汚れを取り除いておくことで、歯磨き粉の成分を歯列のすみずみにいきわたらせることができます。デンタルフロス
デンタルフロスは歯間ブラシと同様に、歯と歯の間に詰まった汚れを取り除くための清掃補助ツールです。歯間ブラシが歯間の根元を磨くのに対し、デンタルフロスは歯間の上部の細かな隙間にまで入り込むため、より丁寧な口腔ケアが可能となります。
デンタルフロスには持ち手がついたホルダータイプと、リールに糸が巻かれた糸巻きタイプの2種類が主です。歯間の幅に合わせて糸の太さを選択すると、汚れを取り逃す可能性を低くできます。ご自身に合ったサイズを知りたい場合は、ぜひ歯科医院へご相談ください。
マイナス1歳から始める
マタニティ歯科 Pregnant woman’s oral care
妊娠は、女性の生活に大きな変化をもたらす特別な時期です。この大切な期間において、多くの妊婦さんたちは胎児の健康を最優先事項として考えますが、妊娠中にはお口の健康にも十分な注意が必要です。 実は、妊婦さんの口腔環境はお腹の赤ちゃんの健康に大きな影響を与えています。しかし、妊娠中は麻酔やレントゲン検査を行なえないタイミングがあるため、十分な治療ができない可能性があるのです。
妊婦さんが歯周病や虫歯を発症・悪化させないためには、妊娠前からの口腔ケアと予防、妊娠してからは適切なタイミングでの治療が欠かせません。当院では赤ちゃんがマイナス1歳から始めるマタニティ歯科(妊婦検診)により、母子の健康をサポートさせていただいております。